(理由1)グランドデザイン力がなければ、根本的な問題を発見できないようになりました。なぜなら、山積する問題を前にして、「どこから手をつけたらよいか分からない」と途方に暮れている企業が圧倒的多数を占めており、このような状態から脱するためには、3ステップを踏まなければならないからです。
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山積している問題に共通している、核心となる原因を見抜く。
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この核心となる原因が悪さを働いて、「こうなってああなって」といった具合に、様々な問題を発生させている様子をフロー・チャートに描く。
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「この根源的問題の解決に全力投球しさえすれば、将棋倒しのように、様々な問題が自動的に解決できるようになるのだ」という確信を持つ。
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核心となる原因が悪さを働いて様々な問題を発生させている。この一番わかりやすい例は糖尿病です。この病気が進行しますと、「手術の傷跡が一向に良くならない」「遠くの風景が見えなくなってしまった」等の症状に同時に襲われがちです。同じようなことは経営の現場によく見られることです。にもかかわらず、表面的な問題点だけに着目した打開策を講じて、事態を悪化させていることが実に多いのです。
(理由2) 「根源的問題の解決に全力投球しさえすれば、将棋倒しのように、様々な問題が自動的に解決できるようになる」という確信を持つことができても、問題解決に向けて円滑な第一歩を踏み出せるものではありません。
なぜなら、「あちらを立てればこちらが立たず」といったような状況に必ず置かれているはずだからです。こういうジレンマを解決しつつ、所期の目的を達成するためには、戦略シナリオを策定しなければなりません。問題解決策の策定にもグランドデザイン力が必要なのです。
(理由3) 昔は市場が未成熟でしたので、模倣や「カイゼン」が通用していました。したがって、「職業別の電話帳があれば新規事業の開発ができる」なんてことを豪語する経営者がいました。ところが、時代は変わり、そのようなやり方はまったく通用しなくなりました。戦略シナリオの中に位置づけられる、各論的な問題解決のためにもグランドデザイン力が必要なのです。
そして、各論的問題になればなるほど、ジグソーパズル思考の必要性が大きくなります。なぜなら、成熟社会の中にあって独自性の高い開発目標を設定することは容易ではない、といったような問題があるからです。(関連記事
⇒ 目標設定力が大幅に不足している / 新成長機会発掘力強化に直結するノウハウ・ドウハウ)
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