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16年近く前のコンテンツですが、趣旨は今でも通用します。これは「環境変化に適応すべく自己改革できない→長期閉塞状態に陥っている」ことを意味しています。2023.1.5記
(節子) 3年前の資料だけど、国際比較した起業率ランキングでロシアよりも下で世界最低の日本人が産業構造高度化に結びつく雇用拡大の大きな余地を生かすことができるのかしら? 疑問だなぁ。最近の若い人を見てるとベンチャー精神はますます期待しにくい感じよ。ニートやうつ病が増えるようではどうしようもないもの。どうしてこうなってしまうのかしら? (高哉) ニートが急増しつつある背景には、次の図式が示すように何といっても親に責任があると言えそうだ。 過保護・過干渉の生い立ちであった ⇒ 内発的動機に基づく自己決定力が鍛えられなかった ⇒ 何事も消極的になってしまった ⇒ ぶら下がり人生を送ることになってしまった。 (節子) 名前は忘れたけど、ある社会学者が言っていた「麻薬や戦争で滅びた国はあるけど、日本はニートで滅びる最初の国になるかもしれない」の背景には過保護・過干渉の生い立ちがあるのね。個性的才能を引き出す性格診断の対象は子供を持つ前の若夫婦を含めなくてはならないわね。幼児期に性格が形成されるんだから…。うつ病の原因はどうなのかしら?なんとなく分っているけど、理路整然と説明してくれないかしら? (高哉) うつ病は大人になってからなる。ここがニートとは違うところ。原因の背景には、次の図式が示すように社会生活の送り方にも原因がありそうだ。 過去の延長線上を歩むことしか知らない + 環境が様変わりした ⇒ 「思考の三原則」適用力のなさが露呈された ⇒ ポジショニング手法適用の仕方を知る由がないので、ひたすら頑張って乗り切ろうとする ⇒ 仕事いかんによっては蟻地獄に吸い込まれるような状態になってしまう ⇒ 疲労困憊し、かつ先の希望を失ってしまう ⇒ ストレスをこれ以上溜めるとガンや動脈硬化になるので、生命維持本能が働いてうつ病になる。 (節子) ということは創造的問題解決策を入手できるだけではなく、内発的動機に基づく自己決定力と「思考の三原則」適用力強化の実現にも結びつくワタナベ式問題解決へのアプローチを適用すれば良いということかしら? (高哉) その通りだけど、独立して起業ということになると、それだけでは駄目だ。「大組織に勤めている日本人は独立して起業しようとする度合いが高福祉国家・スエーデンと違って極めて低いのなぜだと思う? (節子) 勤め上げると多額の退職金と企業年金を手に入れることができる。この権利を上回る利益を独立することによって得られるかどうかに不安がある。いいかえれば、新規事業のアイディアはあっても独立するだけの勇気がないからでしょ? 健康保険と年金の企業負担をゼロにして国が一本化して全国民に保障する。そのために、法人税を大幅に引き上げる。こういうことを政府にやって欲しいわね。スエーデンには「国民の税負担が高い ⇒ 国の財政が豊かである ⇒ セーフティー・ネットがしっかり張られている ⇒ 国民は自己実現のために大組織を安心してスピンアウトして起業する」という図式が実現されているんでしょ。見習う必要があるんじゃないかしら? (高哉) スエーデン・モデルの丸呑みは反対だね。スエーデンは次の図式が原因して自営業者が極めて少ないんだよ。 政府・雇用者・労働組合の3者が合議して国を運営する ⇒ (政府の仕事が多くなっている ⇒ 総雇用者の約30%が政府系となっている ⇒ 政府が提供するサービスが多くなっている) + (企業は合議のために余計なことをしなければならない ⇒ スケール・メリットが必要である ⇒ 零細企業にとっては負担が大きすぎる) ⇒ 自営業に向いているサービス・ビジネスで起業しにくい。 これからは個人でもできる高付加価値を生み出すプロフェッショナル・サービスの時代。したがって、スエーデン・モデルの丸呑みは日本の可能性を摘んでしまいかねない。 (節子) 国民が自己実現のために大組織を安心してスピンアウトして起業できるようになるためのセーフティー・ネット。これをしっかり張るためには時間がかかるでしょうから、当分は企業内ベンチャーに期待しなければならないわね。期待してもいいのかしら? (高哉) 大企業に入れば組織力を使えるので高生産性を生みやすい。にもかかわらず、フリーターの道を積極的に選んでいる若者がいるのはなぜなのか?を考えてみる必要がある。次の図式が原因していそうなんだ。 賞味期限が切れた日本モデルが醸成した習慣が色濃く残っている ⇒ 日本は相変わらず一元支配体制の国である ⇒ 組織に入ると自由がなくなる。 群れるのではなく自分らしく生きたい若者の新しい傾向は脱日本的集団主義に繋がるので歓迎しなければならない。したがって、一元支配の習性から脱却できない企業は反省しなければならないと思う。
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