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【斬新な着眼】


→人間の深層心理をとことん理解しよう! ― 人間の複雑な心を名作映画から学ぶ

最も危険な女

                                                                2006.12.24

物語のあらすじを予め理解しておくことをお勧めします

新天地への脱出は変身のために必要不可欠だったのか?

(高哉) コリン・ロジャースが仕事を通じて身につけた、貴女が今言った習慣は大きな財産であることは間違いがないよ。「書きたい」「表現したい」というものを素直に表現できなければ、創作活動は万事休すだからね。

 彼は「スランプの時もあるけど、アンテナを張っていると脚本にしたいことが頭の中に飛び込んでくる」とも言っている。創作家にとって必要不可欠な資質をしっかりと持っている。こう言い切っていいと思う。

 「私は文章を書くことは苦手」という人は非常に多いけど、共通しているのは、書くことが頭の中にない、素直に表現できない…のいずれか、あるいは両方が欠けているんだ。

(節子) ということは、自分の資質との付き合い方を間違えたために、失敗してしまった。こういうことね。シドニーに行って一呼吸を入れてから新しい仕事に入るべきだったわねぇ。「急いては事を仕損じる」という諺を地で行ってしまったのね。

(高哉) シドニーに移住してからは色々な人と会話を交わして、「自分の発想の仕方はちょっと独りよがりすぎたな」「これからはこういうようなものの考え方を取り入れよう!」となってから仕事に着手すべきであったことは間違いない。

 だけどだよ、「シドニーに移住することだけが唯一の問題解決策であるのか?」を引越し決行前に、考えるべきだったんじゃないかなぁ。行動が短絡的すぎたと思うんだ

(節子) 「なぜシドニーに移住したいと思ったのか?」「発想の転換をしたいからだ。もっと言えば、アンテナをもっと張り巡らせる。と同時にアンテナの感度をもっとよくしたいからだ」「シドニーに移住しなければアンテナ問題は解決できないのか?」と自問自答すれば、

 「テレビ番組、本・雑誌・新聞について意見交換をして斬新な着眼をひらめく。こういうことを電話で実現できる人脈を捜し出すことができれば、メルボルンにいてもアンテナ問題は解決できる」──、といった具合の結論を導き出せたかもしれないわね。貴方がいつも言っている概念拡大と論理化の重要性がよーく分かったわ。

(高哉) その通りだよ。マスコミ情報に接して「こういうことを書きたいなぁ」と思ったら、ジグソーパズル思考することを念頭に置いて、新たに捜し出したブレイン的な人達と電話で徹底的な議論をする。そして、この結果を検証・肉付けするために内外の文献調査をすることができれば、シドニーにわざわざ移住する必要はなかったんだよ。

 作家の構想力・独創力が必要情報を居ながら呼び込んだと言われる、『チェルノブイリ』という小説の創り方が参考になると思うんだ。

 作家の広瀬さんが仮説を立てる。世界中の情報を効率よく収集できる達人サーチャーがこの仮説を検証・肉付けするための情報をさっと集める。作家の広瀬さんがまた仮説を立てる・・・・・。こういう作業を書斎の中で繰り返したんだそうだよ。適切なサーチャーが見つかれば、僕だってやってのける自信があるよ。

(節子) 新たに捜し出したブレイン的な人達と電話で徹底的な議論をする…という方法は凄くいいと思うけど、ブレインになる方々のメリットはどう考えればいいのかしら?

(高哉) もめることにならないようにするためには人選は慎重に行なわなければならないけど、共同創作集団の形をとればいいんじゃないかなぁ。

 メンバー全員で議論。議論の結果を踏まえて一番適切な人物をメイン・ライターに合議・選定。選定された人物が議論の結果をジグソーパズル思考をしてドラマのあらすじを書き上げる。あらすじの肉付けのための文献調査をメンバーが手分けして行う ── といったような手順の作業を行えばいいと思うんだよ。(参考資料 ⇒ 『衆知を生かして複雑問題を解決するための秘策』)

(節子) そういうやり方であれば、アンテナ問題が解決できるし、書き上げる時に発想が詰まっても大丈夫になるから素晴らしい脚本ができそうね。売れる創作力を維持する秘訣があることがよく分かった。でも、コリン・ロジャースが「プロデューサーに頭を下げて売り込むのはもう嫌になった」と嘆いていた問題はどうするのかしら?

(高哉) オーストラリアだけではなく、アメリカの全プロデューサーに脚本の企画書を十分根回しをすることを前提に「売り切れ御免」という条件で配布すればいいんじゃないかな。三菱総研時代の『新規事業開発の手引き』のやり方が参考になると思うんだ。

 「こういうことを考えてます」「こういう考えになりました」「こういう考えに変更しました」「結局こういう企画になりました」といった具合の手紙を数多くの企業の経営者に送り続けて、ペンフレンドのような関係に持ち込み、空前の大成功に結びつけちゃったんだ。受注した仕事をこなしながら企画から売込みまでたった独りで行ったんだよ。(詳しくは ⇒ 『マルチクライアント・プロジェクト『新規事業開発の手引き』)

(節子) ますますいけそうね。でも、映画の製作はプロデューサーが仕切っちゃうんでしょ? そうだとしたら、コリン・ロジャースの不満は解消しないんじゃないかしら?

(高哉) 映画の視聴者が王様なんだから、プロデューサーだって自分勝手なことはできないよ。電気関係の世界中の先端的な完成品メーカーが日参する、部品メーカーの話が参考になるんじゃないかな。部品メーカーというと下請けのイメージがあるけど、王様のような立場を確立しているんだよ。

 この部品メーカーは絞り込んだ部品分野に関する技術と市場の動向をとことん調べて、その結果に基づいて大胆な研究開発投資を行い続けている。だから、完成品メーカーはこのメーカーの部品を使わないと競争に勝てない。したがって、完成品の設計図を作成する前にこの部品メーカーの先端的な部品のことが知りたくなるというわけさ。

 コリン・ロジャースが率いる集団はこの部品メーカーのあり方を真似ればいいわけだよ。「こういう分野の脚本だったらいつも世界一。そのための日頃の努力を惜しまない」という覚悟と実践が必要不可欠ってわけなんだ。橋田壽賀子の化け物のような人気シリーズ『渡る世間は鬼ばかり』がひとつの参考になるんじゃないかなぁ。


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