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【渡辺高哉の時代認識】![]()
東西冷戦構造の終結、金融ビッグバン、国際会計基準の導入などが相次ぎました。その上、インターネットが急速に普及したために、多くの企業は大競争の大海原に投げ込まれてしまいました。 このような環境は例えて言うと、離島でのんびりと商売ができていた商店が本土と離島を繋ぐ高速道路が敷かれたために、大競争の社会に放り出されたようなものです。この商店が新しい環境の下で生きぬくためには、市場性のある特徴を持たなければなりません。同じことがぬくぬくと生きてきた日本の企業に言えるのです。 ところが、横並びが気が遠くなるほど通用してきましたので、市場性のある特徴を持っていない企業が少なくありません。
市場性のある特徴を持つためには、「あれもこれも」という態度は許されない場合が多いものです。中途半端な投資は中途半端な特徴しか生み出せないからです。だから、企業は"総花経営"(何でも屋経営)に決別しなければならないのです。 "総花経営"の決別は開発と販売だけに専念するなど、経営機能のフルセット主義を止めることに結びつく場合だってあります。こうなると、不足している経営資源は外部に依存する、ネットワーキング経営が必要になります。ところが、このネットワーキング経営が不得意な企業は少なくありません。次のエピソードが何よりの証拠です。 シリコンバレーに駐在する日本経済新聞の女性記者が「日本を離れて米国で2年間ジャーナリスト活動をして強く印象に残ったことは何ですか」と尋ねられました。すると、彼女は「米国の大企業は相手が見知らぬ零細企業であっても、良いと思ったらどんどん取引をする。日本では絶対に考えられないことです」と答えたのです。 国民総囲い込み体制が音を立てて崩壊しつつあるにもかかわらず、どうして自由闊達なネットワーキングができないのでしょうか。日本の社会の閉鎖性が原因しているのではなく、三つの負の遺産が原因しているからなのです。
利に敏い企業人が閉鎖性を続けるのは、閉鎖性を続けるしかないからなのでしょう。時代錯誤的な行動は後ろ向きの自己防衛本能のなせる技であるかもしれないのです。 ▲トップ
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