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個性的才能を引き出す性格診断の勧め

第2部 悲劇の人生の裏に臨機応変力のなさがある ─ 人生・仕事の問題解決者を登用しなかったことが悔やまれる ─

『孤独の賭け』から学ぶ

性格無知が最強のコンビ形成を妨げてしまった

2005.5.11

物語のあらすじを予め理解しておくことをお勧めします

二人は得がたい補完性があるので強く惹かれあった

(節子) 梯二郎と百子の関係は凄く興味をそそるものがあるわね。電撃的に惹かれあったが、直ぐにぎくしゃくしてしまった。にもかかわらず、執着しあったんだから。この謎解きをしたいと思うの。どうして電撃的に惹かれあったのかを分かりやすく説明してくれないかしら?

(高哉) 二人とも自分の人生について強い願望をずーっと抱き続けていた。そして、お互いにこの願望にぴったり合った。その上、一緒にいると気分がよかった。だから電撃的に惹かれあったのだと思う。

(節子) 私もなんとなくそう思っていたので、今の納得はできる。あなたの説明を私なりに掘り下げてみるわね。

 梯二郎は「大成功を収めて自分を見下していた人間を見返したい」という思いで事業構想を練っていた。この事業構想のキーパーソンに百子がぴったりだった。しかも、百子は性格も容姿もスリリングな快感を与えてくれるという意味で好みの女性であった。

 百子は「叔父夫婦を見下す立場になりたい。そして、奪われた土地家屋から彼らを追い出したい」という強い想いを抱いていた。そして、自分が縫い子として勤めている「ボヌール」のオーナー経営者が多額の借金を抱え、店を手放す可能性があった。したがって、「自分がオーナー経営者になって叔父夫婦を見下す立場になりたい。なんとしてでもお金が欲しい」と思い続けるようになっていた。

 こういう時に梯二郎に出会い、「この男だったら力を貸してくれそうだ」と直感。この直感はプラス思考になって梯二郎に男性的魅力を感じることに結びついた。しかも、自分に対する評価が高いことがありありと窺われたので、彼女が一番大事にしている有能感を満足できた。── こういう二人のお互いの受け止め方が電撃的に惹かれあうことに結びついた。こう理解してもいいかしら?

(高哉) その通りだと思う。理想的なタイミングであったので惹かれあって当然の条件が一気に花開いた。という意味で、二人の出会いはお見合いを成功させるための準備の仕方の見本になる。にもかかわらず、二人の間は直ちに円滑ではなくなった。

 初めて愛し合った翌朝に「煙草をとって欲しい」という梯二郎の依頼を百子は断った。別の日には百子の態度に怒りを覚えた梯二郎は彼女を殴り飛ばした。「二人の間は直ちに円滑ではなくなった」とはこういうことがしばしばあったことを指しているんだ。

(節子) 「煙草をとって欲しい」という梯二郎の依頼を百子が断った背景には、「梯二郎の援助を受ける愛人の立場になることを承諾する ⇒ 自分の自由が束縛される ⇒ 自分が大事にするマイペース力や有能感が損なわれる」という図式があったんだったわね。これは彼女の性格を考えると納得できる。ところが、百子は自分を殴り飛ばした梯二郎に会えると思うと胸の高鳴りを覚えた。こういうことが一方においてあったのよ。これってどう理解したらいいのかしら?

(高哉) 貴女がさっき言った、二人のお互いの受け止め方が電撃的に惹かれあうことに結びついたことの心理的な背景があったからだと思う。百子の梯二郎に対する想いには根強いものがあるんだろうね。

 梯二郎が百子の有能感を満たしてくれる唯一の人物。百子のような性格の持ち主にとってこれは凄く大事なことである。こういう脈絡で百子の言動を理解する必要がある。一例を挙げよう。

 原作にはなかったけど、テレビ・ドラマの中で百子が「地震の時(百子がバーにいる時)に来て欲しかった」と梯二郎に向って言ったでしょ。あれは怖かったからではなく、自分が梯二郎にとって必要不可欠な才能の持ち主であることが証明されたかったからだと思う。

(節子) 挫折した梯二郎が百子に150万円(現在の約1500万円)を借りようとした。このお金が中川京子のためであることを知って断った。しかし、梯二郎自身の事業再出発のためであったらこの150万円だけではなく、百子の持っている全財産を注ぎ込んでもいい。こう思ったのもそういうことなのね。

(高哉) その通りだと思う。「全財産を注ぎ込んでもいい」というのは百子らしいアイデンティティ追求の結果だと思う。というのは、次の図式が彼女の中にできあがっていたと想像できるからだ。

 (梯二郎の挫折という自分を取り巻く環境の変化があった ⇒ 自分の人生を振り返って心の中を探索して、この環境変化の意味を考えた ⇒ 「梯二郎ほど自分の才能を認めてくれる人は他にいない。自分にとって一番大事なのは有能感である。梯二郎は資金さえあれば立ち直ることができる類稀な才能の持ち主である」という結論に達した

 ⇒ 精神的満足を最大にしたい。そのために、梯二郎をぐいと惹きつけて今を最高に生きたい。こういう想いがこみ上げてきた ⇒ 「梯二郎をなんとしでも再起させたい。そのために、全面的に支援したい」と思うに至った。

(節子) 百子の人生で梯二郎ほど自分の才能を見抜いてくれる人は他にいなかった。このことは百子のように自分の有能感を大事にする人にとっては大きなことであることはよく分かる。でも、「梯二郎をなんとしでも再起させたい。そのために、全面的に支援したい」と思うに至るというのは異常よ。どうしてこうなったのかしら?

(高哉) 梯二郎と出会う前の百子は体当たりの努力をしても駄目でずーっとうだつが上がらなかった。ところが、百子の人生で初めて自分の才能を認めてくれた梯二郎が彼女の才能を大きく開花させることに結びついた。このことが次の図式を気付かせたからではないかと思う。

 自分の才能が認められる ⇒ 強迫観念が取れる ⇒ 自分の才能をのびやかに開花させることができる ⇒ 自分の才能を認めてくる梯二郎に執着する気持ちが生まれた。

(節子) 百子は島左近の「武士は己を知る者のために死す」に似た心境になったのね。前にもこの話は出たけど。こういう相手に対する根強い想いは百子だけではなく梯二郎も同じよね。

 百子がバー「ボヌール」の所有権を梯二郎から氷室に移す一種の裏切り行為をした。にもかかわらず、梯二郎は百子を見限らず正反対のことをした。梯二郎は生地問屋に電話して自分の名前を伏せることを条件に百子のコレクション出品の応援を頼んだじゃないの。

(高哉) その例だけが一人歩きすると、「梯二郎が女性としての百子に惚れ込んでいた」ということに短絡しかねない。こういうことがあったことは否定できないけど、

 海上カジノをメインテーマとする夢の歓楽境構想実現の際のキーパーソンとしての方がもっと大きいと思う。彼は「これだ!」と思える人材に飢えていたからね。それに女性に執着する度合いの方が大きいとすれば、百子に向って「中川京子のために150万円(現在の約1500万円)を借金した」なんてことは言わなかったんじゃないかな。

(節子) 二人の関係が仕事抜きには語れないのは百子側にも言えるわね。梯二郎は百子にとっては資金の提供者であり、かつビジネスの先生なんだから。こういうと、単純なギブ・アンド・テイクがイメージされそうだけど、そんな単純なものではないように気がするの。なんとなくだけど。このなんとなくをすっきりさせてくれないかしら?

梯二郎と百子のタイアップは新分野開拓に成功し続けるための必要不可欠な要件である

(高哉)
その直感は当たっていると思う。二人が末永くパートナーシップを組むと、とてつもない相乗効果を発揮する可能性がある。というのは、二人の思考・行動パターンは相補えるような形で全く異なるからだ。

 新しい快楽の場面が頭に浮かぶ ⇒ 様々な快楽場面を独創的に組み合わせた事業構想が直ちにできあがる ⇒ この事業構想を具体化するための戦略発想が生まれる ⇒ この戦略発想に基づいて必要経営資源を巧みに調達する──、という図式の思考・行動パターンを持っているのが梯二郎。したがって、こういうことをしやすいシソーラス機能が彼の頭脳の中にぎっしり詰まっているはず。

 ということは、梯二郎は既存の分野における大きな隙間を発見・創造するよりも新分野を開拓するのに向いている。一方、百子の方は

 自分を取り巻く環境を鋭く洞察する ⇒ 自分のこれまでの人生経験に照らしてこの洞察結果を解釈する ⇒ この解釈結果を自分のアイデンティティとして提起する ⇒ このアイデンティティを粘り強く実現させようとする──、という図式の思考・行動パターンを持っている。したがって、こういうことをしやすいシソーラス機能が彼女の頭脳の中にぎっしり詰まっているはず。

 ということは、百子は新分野を開拓するのではなく、既存の分野における大きな隙間を発見・創造するのに向いている。

(節子) しかも、二人は事業化した後の行動も異なる。梯二郎は拡大する自転車操業を際限なく続けようとする。一方、百子は株式投資をさっと手仕舞い、洋裁店「ボヌール」を梯二郎から買い取ったことが示すように手堅い。

(高哉) そうなんだよ。梯二郎は持ち前の創造力を伴うパワーで新分野を開拓し続ける。いいかえれば、種蒔きに専念する。百子は開拓した新分野の中で大きな隙間市場を発見・創造し、きちっと利益を上げ続ける。いいかえれば、刈り取りに専念する。こういうパートナーシップを組むことができれは無敵のコンビになると思うんだ。

(節子) そうなるためには、二人は自分のだけではなく相手の性格を認識して、すれ違いが生じないようにしなければならないわね。そうではなかったので、二人の関係は悲しい結末になってしまったのよね。彼我の性格を知ることは人間関係の要諦であることが身にしみて理解できたわ。

(高哉) 二人が無敵のコンビになるための留意点については「 「男女関係の達人 = 仕事の達人」になる必要性を認識しよう!」で改めて採り上げたいと思う。話を性格のことに戻すけど、性格を知ることは良好な人間関係の形成に役立つだけではない。仕事の世界での道を誤らないようにすることにも大変な威力を発揮する。二人の思考・行動パターンがこのことを如実に示していると理解すべきだろうね。


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