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【斬新な着眼】



→中小企業の大企業迎撃作戦のあり方 ― インターネット小売業の雄である、AmazonとeBayの戦いに学ぶ(その1)〈1999/7/13〉

 インターネット書籍小売業として事業をスタートさせたAmazonは取扱商品の構成の大拡大に成功し、1999年度の売上高は140億ドルに達することが予想されている。同社に対して専門家筋が与えている「ニューエコノミー時代のウォール・マート」は決して過大ではないほど、前途には洋々たるものがある。

 ところが、同じくインターネットを小売の場として使っていながら、Amazonよりも高収益・高成長を遂げつつある、新興企業が登場している。その名はeBay。同社は趣味性の高い中古品の競売市場を提供。したがって、売買される商品価格は最初に固定されるのではなく、ケースバイケースに設定される。

 このような市場は小さいと思いきやなかなかのもので、eBayの1998年度の売上高は7.46億ドル。成長性も高く、1999年第一四半期の売り上げ高の伸びは前年対比76%増となっている。もっと驚くべきは粗利益率がマイクロソフト社並の85%になっていることだ。

 eBayの高い利益率の秘訣はどこにあるのであろうか。決定価格の6%を手数料で貰う形の売買の仲介だけで物流には一切タッチしない。したがって、小人数で大きな取り扱いが可能(一人当たりの売上高はAmazon392,000ドルであるのに対して、eBayは687,000ドルとなっている)

eBayの市場は成長性が高い上に、利益率がきわめて高い。このことは株価にも反映されている。両者の株価総額を比較すると、Amazon220億ドルであるのに対して、eBay250億ドルとなっているのだ。

 同じインターネット上の小売業。そして、eBayを利用しての商取引は自動化されているとはいえ、なかなかに厄介なものがある。競売価格が決まった後、買い手は小切手を送り、その現金化を待たなくてはならない。その上、注文した品物を手にするのに最高2週間待たなくてはならない。ところが、Amazonはこの面では遥かに上をいく能力を持っている。

 したがって、Amazonは当然のこととして、固定価格ではなく、相対で価格を決める、この競売市場に参入することとなった。一方、eBayはAmazonの牙城である、固定価格市場への殴り込みを検討することとなった。AmazonとeBayは始めて正面からぶつかり合うことになったのだ。

 そこで、インターネット小売業界では「AmazonとeBayのどちからが勝つだろうか」と固唾を飲んでいるようである。

 だが、このような見方でいいのであろうか。「否」である。なぜなら、中小企業が先に手がけた事業分野に大企業が早めに攻め入ってくる場合の、中小企業の戦略は次のようでなければならないと考えるからだ。

 ライバルとなる大企業の事業戦略を推理して、この大企業の行動力学を読み抜く。言い換えれば、あとから攻め入ってくる大企業の事業展開の可能性と限界性を予め読み抜く。その上で、この大企業がどうしてもやれない分野や事業展開の方法を、先発中小企業の事業戦略の中に組み入れる。

 Amazonの宿命的な行動力学とは一体どんなものであろうか。だから、eBayはどんな事業戦略を採るべきなのであろうか。

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