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【斬新な着眼】



→大胆なアウトソーシングが業績拡大を可能にする ― Samusung社のUSi社登用から考える〈1999/6/22〉

 業績低迷企業の飛躍に先ず必要なのは適切な戦略。このように言うと、「そんなことを言ったって、戦略遂行能力がなければ何もならないではないか」という言葉が返って来ることが少なくない。果してそうなのであろうか? 「否」である。なぜなら、不足している戦略遂行能力はアウトソーシングして補えばよいからだ。

 大胆なアウトソーシングは日本の伝統的企業文化とは相容れないところがある。そこで、この必要性並びに実践の心得を認識していただくための論を展開したい。

1、Samusung社が大胆なアウトソーシングを決断した背景

 ライバルよりも有利な状況を創り出す。これが戦略だが、メモリー系半導体メーカーであるSamusung社はマーケティング面で新しい戦略を採用することとなった。

 メモリー系の半導体市場はアジアの企業にほぼ占拠されているが、これらの企業はインターネットを使った販売活動に乗り気ではない。Samusung社はここに目をつけ、インターネットを使った、メモリー系の半導体の卸売りに乗り出すことを決断したのだ。だが、次のような厄介なことが待ち構えていることを知り、経営者は気が重くなった。

 ビジネス・プロセスを設計しなければならない。その上で、コンピューターとソフトウェアを購入し、使いこなせるようにならなくてはならない。しかも、毎日システムを管理しなければならない。現有スタッフでは能力的に無理だし、仮に可能であっても、そんなことにエネルギーを使っていると、本来的業務がおろそかになって、戦略遂行に支障をきたしてしまう。

 そこで、電気のスイッチを入れるが如くにトータルシステムを使いこなせるようにしてくれる、application services providerであるUSi社を登用することとなった。

2、大胆なアウトソーシングは歴史の流れである 

 application services provider業の総売上高は98年の1億ドルから2001年の64億ドルに急拡大することが予測されている。だからか、USi社の上場直後の株価総額は、受注残が僅か200万ドルであるにもかかわらず、25億ドルに達した。

 application services provider業の豊かな将来性の背景には、次に述べるように、サービスの需要側と供給側のニーズが一致していることがあげられよう。

 後ろ髪のない禿坊主のようなチャンスを逃さないためには、コア―事業のコア―の仕事に専念しなければならない。市場の変化に敏速に対応し、ホテルの来客数を一気に拡大し、新しいホテルを間髪いれずつくるためには、余計なことに経営資源を投下しないといったように。これがサービスを受ける側のニーズ。

 高付加価値経営を行なうためには、価格競争から免れる工夫が必要。「顧客は商品を買うのではなく、満足を買うのだ」という古くからの格言に当然のこととして注目することとなる。となれば、上記した顧客側のニーズとも合致するので、「期待する機能をトータルで請け負いましょう」ということになる。これがサービスを提供する側のニーズ。

3、人・組織を自在に動かせる能力が必要になる

 大胆なアウトソーシングを行わない企業は時代遅れ。こんな時代がやってきたのだ。だが、アウトソーシングは手放しでよいものであろうか? 「否」である。なぜなら、機密が洩れる。それだけではない。同僚であって始め得られやすくなる、次の三つの実現が容易ではなくなるからだ。

 臨機応変に仕事を頼んだり、質問したりできる「即応性」。価値観を共有できるか、あるいは違いがあっても理解できるので、意思疎通が円滑である「正確性」。短期的利益を乗り越える協力や好意を実現できる「求心性」。

 アウトソーシング先との間で同僚のような関係を確立できる「人・組織の動かし方」を習得せずして新時代の成功者にはなれない時代がやってきたのだ。

4、開発力の抜本的強化が必要である

 アウトソーシングで残る問題は機密の漏洩。チャンスは後ろ髪のない禿坊主のような時代がやってきたことだし、新規事業・新製品(サービス)を連発させる積極経営でこの問題に対処すべきであろう。

 但し、上記したようなことを実現させるためには、それ相応の工夫が必要。この工夫のひとつが適切なコンサルタントを登用して行う、役員並びに社員全員を巧みに参加させて行う新創業プロジェクトである。((詳細 ⇒『全員参加型の新創業プロジェクト』&『外部専門家を巧く使う


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