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【斬新な着眼】



→社長の適切な決断が企業の業績拡大を可能にする(その3) ― デフレ圧力の下での企業経営のあり方を考える〈1999/8/27〉

3、どうすれば業績を拡大できるか〜企業革新が一人勝ちの道につながる〜

 社長が決断しさえすれば、いかなる企業であろうとも、業績拡大路線を歩むことができる。これが「2、 価格アップを困難にする原因はどんな意味を持つのか〜打開策の突破口を更に探る〜」の意味するところだ。にもかかわらず、多くの企業が業績低迷に陥り続けているのはなぜであろうか。(有力筋の情報によると、政府による内需の下支え並びに超々低金利がなくなれば、わが国の企業の9割が脱落するとのことである)

 理由は大きく分けて二つある。市場が右肩上がりであるが故に有効な策であった「市場分割型」の業界運営に慣れすぎてしまい、市場動向に鈍感になってしまった。これが理由のひとつ。

 訪れたチャンスに敏速に対応したいのであれば、「新しい酒は新しい革袋に」とばかりに、外部の適切な人材を積極的に登用することが必要になる。ところが、右肩上がりを当り前としてきたために、まだまだ過剰な人材を社内に抱え込んでしまっているので、この必要性に応えるのは容易ではない。それに外部にも適切な人材はあまりいない。こういった人材の質的不足がもうひとつの理由。

 市場動向をしっかりと認識し、かつ必要な人材を調達する。これを実現するためには、企業はどうしたら良いのであろうか。

 わが社はどのような事業構造を目指すべきか。目指すべき事業構造をどのようなシナリオで実現させるべきか。適切な助っ人の登用を前提に、経営幹部が全員参加してこの二つの結論を納得して出すことである。

 「大企業がアイディアをすぐに盗んでしまうので」と嘆かれる向きは、使い捨て剃刀が市場を席捲し始めても、その取り扱いが共食い現象の発生に結びつくことを恐れて高級剃刀メーカーは手をこまねくしかなかった、歴史的事実をご認識いただきたい。

 これからは思考の三原則(全体を見る/長い目で見る/根本的に考える)を適用して、何かを選択するが故に何かを捨てる戦略発想が必要な時代。このような知的作業を伴わない事業展開シナリオの策定はナンセンスであることを肝に銘じなければならないのだ。

4 どうすればタイムリーな新規事業開発ができるようになるか〜コンサルティング・セールスを適切に行おう〜

 ところで、事業展開シナリオ以外の企業の新設計図のハイライトは何であろうか。この「ひらめきメモ」で何度か取り上げた、次の二つの効用を持つコンサルティング・セールス体制の整備とならざるを得ない。理由は二つある。

 既存の製品・サービスに対する不平・不満・夢のキャッチが可能となり、金融業と工事業を併営する電器製品供給業といった具合の、低リスクの事業拡大が可能となる。これが理由のひとつ。

 成熟時代の新規事業・新製品(サービス)は既存の製品(サービス)の複合融合型である場合が多い。この場合、大事なのは、既存の製品(サービス)に対する不平・不満・夢が十分に顕在化してから事業化することである。さもなくば、「アイディアは良かったが、早すぎた」ということになりかねない。

 映画を観始めたばかりの頃はなかった「映画を見たいが、わざわざ出かけるのは面倒。それに混むし」。ラジオを手に入れたばかりの頃はなかった「放送の内容を観ることができないのは残念」。このような映画とラジオに対する不平・不満・夢が十分に顕在化していたからこそ、複合融合型製品「テレビ」の市場普及が早かったのだ。

 複合融合型ではない新製品(サービス)の場合でも、このタイミングは重要である。「外で安く洋食を」ということで外食産業の王者の地位についた、マクドナルドがハンバーグを客の注文に応じて調理するサービスを始めたが、このようなやり方を最初から取り入れていたら間違いなく失敗したであろう。

 外出先で待たされることなく、しかも低価格で食事をしたい。こういう食のニーズが発生し、昔ながらのマクドナルド方式がこれに応えた。この段階で、上記「新機軸」を持ちこんだって成功するはずがないのだ。時代が変わり、飽食の時代がやってきたので、味気ない単一メニューに消費者は満足しなくなったからこそ、上記「新機軸」の合理性が生まれるのだ。

 コンサルティング・セールス体制が実のある形で確立されていれば、複合融合型製品(サービス)にせよ、非複合融合型製品(サービス)にせよ、例外需要(個性的需要)をタイムリーに拾うことができるが故に商品の高付加価値化が可能になる。これがもうひとつの理由である。

 昼飯代はケチるが、彼女とのデートのための食事代は奮発する。刺身を沢山貰ったが、醤油とワサビがない。こういうときだったら、醤油とワサビは高くてもよいからすぐに欲しい。価格にまつわる問題として、人間にはこのようなところがある。同じ物であっても、財布の種類によって価格に対する許容度が異なるのだ。

 上記「財布の種類」を踏まえたビジネスができたら、価格アップは容易になる。でも、このようなことが常時できのであろうか。「否」である。顧客に密着して例外需要を迅速に拾う。こういうことができて始めて可能になるのだ。

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