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【斬新な着眼】



→アメリカが更に生み出すかもしれない新産業を、わが国企業が新たな収入源にするために必要な考え方 ― アメリカの金利動向並びにその影響の推論からの提案(その2)〈1999/4/30〉

(1999/4/27号からの続き)

●高株価維持によるベンチャービジネスの育成を通じてアメリカの産業構造の高度化が可能となる

 アメリカの内需の懐はきわめて大きい。これもあって、アメリカの研究開発力はダントツの世界一。したがって、アメリカ以外の国の経済が低迷していると、世界の余剰資金がアメリカに集まる。これが世界経済の実態である。

 アメリカに集まった資金の流れ込む先は株式市場だけとは限らない。株式市場に資金が多く流れるか否かは金利次第。金利が低ければ株式市場に流れやすくなる。そして、これが可能なのであった。この可能性が現実のものになれば、アメリカの高株価が維持される。

 この高株価の維持が二つの経路を通じてベンチャービジネスの育成に結びつくのである。高株価の維持が続けば続くほど、新たに登場するベンチャービジネスの株式を通じての資金調達が容易になる。この変わらない経験則が二つの経路のひとつである。(資金難のベンチャービジネスにとってこれは大きい)

高株価は資産効果となって消費を拡大する。このような形で拡大する消費需要は非生活必需品の購入拡大に結びつきやすい。したがって、ベンチャービジネスが個性的なニーズを狙うのであれば、高株価はこの種のベンチャービジネスの市場開発にとって神風となる。

 以上の説明から明らかなように、アメリカの高株価の維持はアメリカの、ひいては世界の産業構造の高度化に貢献するのである。

≪アメリカの産業構造高度化を新たな利益源にするために必要な考え方≫

 アメリカで開発されるニュービジネスや新製品をマーケットニーズに合致させる形でわが国企業がものにするために必要な考え方を、サービス産業のあり方を例にとって説明するとしよう。

 新しいサービスに対する需要の源泉は少なくとも三つある。目新しいモノが余り登場しなくなったので、モノでは充足できない需要が吹き出してきた。(新しいモノが次から次へと登場してくると、それを使いこなすためにエネルギーがとられ、心の奥底に潜んでいるニーズが涌き出てくる余裕が生まれないものである)  しかし、心の内面から沸いてくるニーズは自分でも明確に規定しにくい。したがって、「あなたはかくかくしかじかの理由により、こういうことをしたいはずある」と第3者に納得いく形で言いきって欲しい。これがひとつである。

 人間ひとりひとり世界が大きく広がってきたことは、「世界中の色々なことを知りたい」というニーズに結びついている。これがもうひとつである。しかし、知ってしまうと、行動の選択の幅拡大に結びつき、普通の人には戸惑いとなってしまう。したがって、この戸惑いをなくすためには、「あなたはかくかくしかじかの理由により、これを選択すべきである」と第3者に納得いく形で言いきって欲しい。これが最後のひとつである。(商品をぐっと絞り込んだコンビニなんかはこの最後のひとつの例であると考えたい)

 上記したようなニーズを企業が新たな収益源に転換するにはどうしたらよいのであろうか。次のような経営行動をとるべきであろう。

 世界中の珍しいサービスを洗い出す。これをもチェックリストに用いて、人間の心の奥底に潜むニーズを洗い出す。言いかえれば、自分の事業分野に応じて「売り物」(シーズ)を洩れなく認識する。その上で、このシーズのコンサルティング・セールスを行い、既存のシーズで事足りる場合はそのままの形で販売する。いまいちのシーズは改良・改善を、需要はあるが存在しないシーズは新たに開発する。

 上記「シーズ」の中に、アメリカで開発されるニュービジネスや新製品・新技術を加える。こうすることにより、アメリカ・ウォッチングが実りあるものになると言えよう。

 新規事業・新製品(サービス)開発の成功に結びつける「コンサルティング・セールス」のあり方については、ホームページの「1 複雑時代におけるサバイバルの方法」の末尾に掲載してある、拙著「脱集団主義の時代」の「第4章 個別企業再生の秘策」をご参照頂きたい。


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