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【斬新な着眼】



→企業成長のためには市場開発力抜群の大物社員の大胆な登用を ―本州と四国を結ぶ三橋が揃い、聞こえてくる「四国と本州のキズナ三つだけになることである」という哀感から考える〈1999/5/25〉

 「不況から抜け出した成長を遂げるためには、日本経済全体としても、個別企業としても、実績主義と平等主義を完全に捨て去らなくてはならない」という話をしたい。

 5月1日に広島県と愛媛県を結ぶ本四連絡道の尾道・今治ルートが全通した。昨年の明石・鳴門ルート、11年前の瀬戸大橋と合わせ、本州と四国を結ぶ三橋がこれで全部揃った。このことを受けて、「四国と本州のキズナは三つだけになることである」という哀感が伝えられている。

 この哀感にはわが国社会に根付いている平等主義の息吹が聞こえる。だが、「四国と本州のキズナは三つだけになることである」は、やり方次第では日本経済全体へのダイナミズム付与に結びつくことであることを強調したい。なぜなら、広域地域全体の発展は次のような仕組みから生まれるからである。

 特定の都市にのみ昼間人口と夜間人口が急速に増える。すると、この増えた人口を顧客とする都市機能の集積も急速に進む。と同時に、自然の景観も急速に失われていく。すると、この都市の住民は自然の景観を求め、周辺地域を余暇活動の一環として訪れるようになり、周辺地域に余暇産業が生まれるようになる。

 一方、周辺地域の住民は逆に都市機能を求めて、急速に発展したこの都市を訪れるようになり、都市機能の集積がますます進むようになる。

 拠点都市の開発が上記したようなことに結びつかないとしたならば、企業の本社機能の集積にではなく、建物の開発に意を用いる伝統的な地域開発を志向するからである。(企業の本社機能の集積に結びつく地域開発のあり方については、私のホームページに掲載してある論文「日本経済を再生させる方法」を、更に詳細については、拙著「脱集団主義の時代」の終章「地方自治体への熱い期待」をご参照願いたい)

 同じことは企業にも言える。停滞から脱して、業績を拡大させたいのであれば、次のような施策を講じることが必要といえる。

 経営ビジョンを策定し、新規に開発並びに死守すべき市場の種類を設定する。そして、市場の種類別に、抜群のコンサルティング・セールス能力を持っている人材を社内外から抜擢し、最高責任者に据え、十分な権限を与える。(抜擢した人物の動機付け並びに抜擢に対する社内の納得取得のためには、思い切った信賞必罰の人事考課をもって事に臨む必要があろう)

 抜群のコンサルティング・セールス能力を持っている人材を市場の種類別の最高責任者にしなければならない理由、言い換えれば、抜擢した、市場の種類別の責任者の期待される行動は次の通りである。

 部門の責任者自らが切りこみ隊長として新市場を開発したり、死守すべき市場を再開したりする。言い換えれば、部門の責任者自らが「拠点開発」を行い、成功した結果を分析し、市場開発を成功させるための汎用的な方法論を創る。そして、この方法論を部下全員に習得させた上で、一気呵成の販売を展開する。言い換えれば、部下は「拠点開発」の結果を「水平展開」する。

 そして、一気呵成の販売の後、販売が伸び悩んだならば、再び部門長が自ら市場の再開発を行う。言い換えれば、部門の責任者自らが「垂直展開」を行い、成功した結果を分析し、市場開発を成功させるための汎用的な方法論を創る。そして、この方法論を部下全員に習得させた上で、一気呵成の販売を展開する。言い換えれば、部下は「垂直展開」の結果を「水平展開」する。

 なお、コンサルティング・セールスのあり方については、「ワタナベタカヤのひらめきメモ」の「アメリカが更に生み出すかもしれない新産業を、わが国企業が新たな収入源にするために必要な考え方 ― アメリカの金利動向並びにその影響の推論からの提案(その2) 〈1999/4/30〉」をご参照願いたい。


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