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【渡辺高哉の時代認識T】



日本経済はビッグチャンスを活かせなかった。だから、衰退したのだ

 日本の産業界は世界一の技術改善力を誇っていました。そして、技術改善がずーっと可能でした。だから、日本経済は長期にわたって高度成長を続け、世界第二の経済大国になることができたのです。

 ところが、技術要素の高度化並びに組み合わせが行詰ってしまい、技術改善が限界に達してしまいました。産業革命が終わってしまったのです。そして、日本経済受難の時代が始まりました。

 これからは工業分野に代わって、サービス分野が経済成長の牽引車役を担わなくてはならない。このように言われてきました。ところが、規制並びに長年の横並びが生んだマンネリが災いして、サービス分野は伸びるどころか、転廃業を余儀なくされている企業が跡を絶たない始末です。

 それでは、サービス分野発展の足を引っ張ってきたのは規制や横並びだけでしょうか。「否」です。終身雇用制度や系列取引などからなる長期コミットメント体制並びにバブル経済崩壊の後遺症もサービス分野発展の足を引っ張ってきたのです。その様子は次の通りです。

東西冷戦構造の終結はわが国産業界の市場と供給源の両方の提供に結びつくはずだった。なぜなら、旧共産圏諸国は膨大な潜在需要と低コスト力を持っている。のみならず、わが国産業界の競争相手になるには相当の時間がかかるからだ。(わが国はサービス産業を発展させるチャンスがあったのです)

ところが、わが国産業界は長期コミットメント体制などが災いして柔軟に高度化(脱工業化など)できなかった。したがって、旧共産圏諸国の市場経済への組み入れはわが国産業界の市場と供給源の両方の提供ではなく、むしろ過剰な供給能力を潜在させるという現象に結びついてしまった。(わが国はサービス産業を発展させるチャンスをものにできなかっただけではなく、工業分野はダメージを受ける因子を抱え込んでしまったのです)

経済がバブル化して、わが国の工業分野の供給能力が拡大した。同時に、旧共産圏が市場経済に組み入れられただけではなく、工業化が進んだ。そして、日本国内ではバブルが破裂。かくして、日本経済は一気にデフレ化してしまった。(わが国はサービス産業を発展させるチャンスを逸しただけではなく、工業分野の能力過剰という状態に追いこまれてしまったのです。そして、この背景に長期コミットメント体制があるのです)

わが国経済のデフレ化はごく自然に株価低迷に結びついた。となれば、米国経済で実現されたような「株価の長期上昇が産業構造の高度化に、産業構造の高度化が新産業創出に結びつく」という図式は実現されようがなかった。(わが国はますますサービス産業を発展させることができなくなってしまったのです)

 個性的需要が企業の新成長機会の大きなウェイトを占めるようになります。そして、その中にあって、サービス分野が大きなウェイトを占めるようになります。なぜなら、個性的需要への対応力はサービスが一番だからです。したがって、新しいサービス商品が新産業の柱のひとつになります。

 ところが、株価や土地価格が低迷している。言い換えれば、資産効果が期待しにくいので、新産業が芽生えにくい。しかも、従来型の工業分野は大競争の海原の中でアップアップしている。だから、日本経済は低迷せざるを得ないのです。

 ここでしっかりと頭に入れておかなければならないことがあります。わが国のサービス産業などの新産業の発展は次のようにして阻害されているのです。

規制並びに長年の横並びから来るマンネリがサービス産業などの新産業の発展を阻害している根本的原因となっている。言い換えれば、新時代のサービス産業などを発展させる資質が不足している。

長期コミットメント体制が災いして、産業界は「サービス産業などの新産業を発展させよう」という意気込みを十分に持つことができなかった。

米国のような資産効果がない。したがって、市場が圧力をかけてサービス産業などの新産業を発展させることができない。

 したがって、株価操作に仮に成功したとしても、直ちにサービス産業などの新産業がわが国で発展するわけではないのです。供給側の資質と意欲の不足、需要側の圧力不足。この二つが重なっていることを忘れてはならないのです。

 なお、ここで使っているサービス産業の意味ですが、顧客が抱える問題解決策を提案し、この提案の中に製品・サービスを位置付ける、コンサルティング・セールスにおけるコンサルティングも含まれます。


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