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→八方塞りの袋小路から脱出する方法(その2) ― 金利も円相場も思い切って下げられないために、民需拡大がままならぬ日本経済のあり方を考える〈1999/8/6〉

◎わが国は円高傾向の圧力の下にあるからだ

 1ドル=360円の為替レート。これは特別の恩恵。したがって、わが国は短期間で経済復興できた。そして、ニクソン・ショックにより、為替レートは修正されることとなった。にもかかわらず、わが国の貿易収支は大幅の入超。世界第二位の経済大国のしあがった後もその傾向が続き、日米貿易摩擦を招くこととなった。その結果が米国主導の円高圧力なのだ。

 日本経済が米国の思い通りにならないと、米国は直ちに対日経済制裁措置に乗り出す図式は今も基本的には変わっていない。したがって、「円高圧力が相変わらずかけられている」と世界は思い込んでいる。

 わが国は原燃料並びに食糧などの天然資源のほとんどあるいは多くを輸入に頼っている。このような状態での円高傾向は物価下落傾向を意味する。そこへの大競争時代の到来と長期不況。わが国経済がデフレ・スパイラルに陥りかねないのは当たり前のことなのだ。

2、民間需要は至極当然のこととして縮小してきた

 個々人の構想力・独創力が鍛えられていない。思いきった円安や金利の引き下げが難しい。前述した、このふたつが純然たる民間需要縮小路線に結びついてきた。

 成長産業になれるサービス部門の伸び悩み並びに工業部門の生産能力過剰に、円高傾向から来る将来の採算不安並びに銀行の貸し渋りが加わって、国内投資が減少。これが日本経済の民需低迷の現象。どうしてこんなことになってしまっているのであろうか。

 労働市場の整備はこれからのこと。それに、構想力・独創力が鍛えられていないとあれば、現在の職場にしがみつかざるを得ない。そして、デフレ経済。わが国の勤労者は雇用不安に怯えざるを得ない。その上に、物価は下落傾向。生活必需品の普及率が高くなっているで、買い控えがない方がおかしいくらいなのだ。

 このような傾向としての買い控えがあったとしても、魅力ある商品があれば、話は別。ノート型パソコンにワイヤレスで携帯電話を接続できるiBookなどはよく売れるだろうからだ。ところが、「お泊り預かり」をしないために、あたらチャンスを逃している託児所に典型的に現れているように、市場が求めている製品・サービスが不足している。

 なぜこんなことになっているのだろうか。企業人の主な関心が市場ではなく、相変わらず社内にある場合が多いことに原因があると言えそうだ。例のビデオ事件での東芝の対応などは正にマーケットイン・アプローチ不足の典型と言えよう。クレイムをつけたA氏との折衝を専門の技術者ではなく、総会屋を振り向けたなどは、日本の伝統的な企業では笑えない話なのだ。

 企業人が外向きではなく内向きになっている。その上、減点主義であれば、本質を見極めた対応ではなく、前例主義や横並びが一番無難となり、マーケットイン・アプローチによる製品・サービスの開発は停滞せざるを得ない。

 仮にあるべき開発をしようとしても、視野が狭く、しかも、分析的並びに合成的推理力が不足し過ぎている。世界全体を眺めた上で、「かくあるべし」を考える必要がなかったことの付けが廻ってきているのだ。

 「基礎研究力の不足が工業部門の低迷の原因」とする声があるが、基礎研究を成功させるためには、「世の中はかくかくしかじかの理由でこうなる。だから、こういう機能の製品・サービスが必要となるので、かくかくしかじかの技術を開発しなければならない」と言い切れなくてはならないことを、強調しておきたい。構想力・独創力の不足は基礎研究の成果が思うように上がっていないことにも結びついているのだ。

3、公的資金を投入しても、銀行の貸し渋りは直らない

 内需振興のために積極的な政府支出が行われた結果、わが国の累積財政赤字は対国民総生産比200%を間もなく超えようとしている。にもかかわらず、経済は活性化しない。これはいずれ円価値や長期国債の価格が暴落しかねないことを意味する。しかし、わが国は他のアジア諸国とは違って、しっかりとした経済基盤がある。したがって、円価値や長期国債は急落しても、いずれ戻る可能性がある。言い換えれば、投機のチャンスがあるのだ。

 このような状態が続く限り、資金は本源的証券投資にではなく、民間の現金保有に結びつく投機準備に向けられてしまう。そこへ持ってきての公的資金の投入と海外からの資金流入。民間の現金保有量は拡大し、優良企業からの金利低下圧力に結びついてしまっている。一方において、非優良企業への融資はあまりにもリスクが高すぎる。だから、公的資金を投入しても、銀行の貸し渋りは直らないのだ。

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