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【斬新な着眼】



→社長があることを決断する。そうすれば、企業は業績を拡大し続けることができる ― 日本の歴史上ナンバーワンの革命家・織田信長のやり方から考える〈2000/11/14〉

 ビジョンに基づいた経営を行う

 「信長」と言うと、2000の兵士で4万数千を打ち破った「桶狭間の合戦」が直ぐに想起されます。だからといって、信長は奇襲戦法を常套手段に用いていたわけではありません。むしろ、その逆です。

 「桶狭間の合戦」以降の信長は敵よりも2倍の兵力がなければ戦争を避けたのです。その場合でも、彼のやり方は独創的でした。各地に兵団長を置いた上に、信長自身が機動軍団を持っていて、どこの戦場で異変が起きても三日以内に駆けつけ、各兵団長の軍勢と合流するといった具合に。

 この信長流のやり方は企業の事業展開のあり方に少なくとも二つのヒントを与えてくれます。

(ヒント1) しっかりしたコンセプトを開発してから新規事業に乗り出そう

 かって華々しくデビューした「ウォークマン」にはイヤホーンに用いた「ダイヤフラム」を除いてこれといった目新しい技術はありませんでした。(「ダイヤフラム」ですら家電業界では画期的でしたが、繊維業界では陳腐な代物でした) このことから明らかなように、発想力さえあれば、社内の経営資源がなくてもヒット商品を生み出すことができます。

 でも、「ウォークマン」を始めて世に送り出した企業がソニーではなく、業界初登場の企業だったらどういうことになったでしょうか? 後続商品を次々と市場に送り届けなければ、販売ルート開発などのための先行投資を回収できずに、企業経営としては失敗したことでしょう。

 事業に成功し続けるためには、市場競争に打ち勝つだけの事業展開をし続ける覚悟が必要なのです。そのためには、しっかりしたコンセプトを開発し、そのコンセプトの中身を埋めつづける事業を行わなければならないのです。

(ヒント2) プロジェクトチーム中心の企業経営に転換しよう

 物理的な力の差がつくと、その競争に及ぼす影響はついた物理的な差の二乗に比例するという「ライリーの法則」があります。お互いに競争している、AとBという商店街があったとしましよう。Aの商業集積は変らない。一方、Bの商業集積は2倍になったとすると、Bの商圏は2倍になるのではなく、4倍になるのです。

 信長はこの法則を本能的に知っていたからこそ、「桶狭間の合戦」以降、2倍の兵力でもって戦いに臨んだのです。でも、これだけでは現代の企業経営の参考にはなりません。なぜなら、抱え込んだ経営資源の稼働率の問題が発生してしまうからです。ところが、信長は機動力でこの問題を解決しました。

 現代の企業経営はこの信長流のやりかたをどのように応用すべきでしょうか? 経営課題を集中的に解決するためのプロジェクトチームを臨機応変に発足させるべきではないでしょうか。その際に留意すべき点は次の三つです。

プロジェクトチームを構成するメンバーは社内のみならず社外からも募集する。

各メンバーは専任ではなく、複数の仕事を並行してこなしていても構わないようにする。いいかえれば、一人の人間がひとつの本籍地、複数の現住所を併せ持つことを実現させる。

そのためには、時間軸と空間軸を超えたメンバー間のコミュニケーションが必要不可欠になるので、IT駆使を義務付ける。


 しっかりしたコンセプトを開発してから新規事業に乗り出す。プロジェクトチーム中心の企業経営に転換する。このいずれも、「わが社をどのような企業にするのか」という長期の展望を持たずしては成功できません。したがって、信長的な生き方を良しとする企業経営を行うのであれば、経営ビジョンの開発を先行させなければならないでしょう。



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