(高哉) そうなんだよ。どうしてもやりたいことで頑張り続けることが凄みのある創造に決定的な役割を果たすんだ。というのは、この態度は次の図式に結びつくからね。
内発的動機に基づく自己決定なるが故の粘り強い挑戦力が引き出される (ストレスを寄せ付けない努力継続力が身につく) ⇒ 記憶を総動員し、かつ強烈な問題意識の下での学習を行って問題を解決しようとする
(ジグソーパズル思考が自動的に行われる) ⇒ 脳細胞間の円滑なネットワーキング力の強化が急ピッチで進む。
(節子) 内発的動機に基づく自己決定なるが故の粘り強い挑戦力が極めて大事であることはよく分かる。一緒にテレビで観た飲食店チェーンの店長がいい例よね。超多忙の毎日のことを「忙しいとそれだけ経験を積むことに結びつくのでありがたいことだ」と言っている。その上、休日は同業の飲食店で食べ歩き研究をすることで過ごしている。毎日精一杯働いている上に、365日ほぼ仕事漬けよ。にもかかわらず、ストレスが溜まっている様子はなく生き生きしていた。
この店長の「独立を目指しているから」という発言の真意は「強い独立志向性と飲食店経営が性格に合っているから」だと思うの。三菱総研時代の貴方の場合はもっと凄かったのでしょ?
(高哉) そうだったんだよ。僕の三菱総研時代は普通の人に信じられない生活だった。というのは、次の図式の状態を13年8ヶ月続けたからだ。
(野心の前途には巨大な壁が幾重にも立ちはだかっていたにあるような立場にあった ⇒ 日中は仕事を受注するための営業活動に多くの時間を割かなければならなかった) + (脳力革命を目指していた ⇒ 大量の仕事をしなければならない) ⇒ 365日休日ほぼ皆無。その上、寝ても覚めても仕事のことを考えることとなった。
こんな生活を長年に亘って続けていたら、脳力革命という目標があっても病気になって倒れない方がおかしい。ところが、そうならなかったのは、こういう生活は僕の性格と歴史的立場に合っていたので適切で好きな道になっていたからだ。 |