[TRI] Total Renovation Institute 新創業研究所
E-Mail: info@trijp.com
〒311-1203 茨城県ひたちなか市平磯町414-7
 来客用駐車場があります
TEL 029-229-0225

新創業研究所が掲載した数多くの有益コンテンツがGooleで第1位にランクされています

トップページ



個性的才能を引き出す性格診断の勧め

第2部 悲劇の人生の裏に臨機応変力のなさがある ─ 人生・仕事の問題解決者を登用しなかったことが悔やまれる ─

『孤独の賭け』から学ぶ

負け組から大飛躍に成功したが、勝ち組の維持は容易ではない

2008.1.20

物語のあらすじを予め理解しておくことをお勧めします


自分の可能性追及にとことんこだわった

(節子)
働いても失業するかもしれない。病気するかもしれない。結婚しても子供や老後の心配がある。だったら今を最高に生きたい。── こういう人生哲学を早々と確立しており、この考え方にしたがった生き方をしているのが百子。

  だからと言って、百子は楽観的な人間というわけではない。「自分だけが頼りである」という想いを強く持っているので、用心深い。したがって、モラトリアム人間になってもおかしくない。ところが、彼女の場合は「最高に生きたい」という生き方が支配的な行動派。これってどう理解したらいいのかしら?

(高哉) 用心深いにもかかわらず大胆な行動をしばしば採る。このように矛盾して見えるのは、脳力・能力によって世の中とつながっていけるという想いが強いことが思考力を鍛えることに結びつき、鍛えられた思考力が二つの図式を生み出しているからだと思う。

図式1 思考結果だけが自分の安全保障の源であるという想いが強くなる ⇒ 自分の思考結果にとことん拘る ⇒ 他人から見ると用心深く見える態度を採る。

図式2 核心をずばっと突いた思考結果を提起できる ⇒ 自分の思考結果にとことん拘る ⇒ 他人から見ると大胆に見える態度を採る。

(節子) 百子が用心深く見えたり、大胆に見えたりするのは自分の思考結果にとことん拘るからであるということはよく分かった。

 洋裁学校に通うことはできなかったけど、家出後しばらくしてからずーっと洋裁について独学。ある程度の自信ができてから「ボヌール」に縫い子として就職。そして、自分でデザインした洋服を作り、販売するために「ボヌール」を乗っ取ることを考えたのはだからなのよね。

 でも、こういう百子が梯二郎の要請を受けてバーの雇われマダム役を引き受けることになったのはどうしてなのかしら? 自分の思考結果にとことん拘る百子らしくない、この行動をどう理解すればいいのかしら?

(高哉) 当意即妙の応答には自信がある上に、この道の達人である梯二郎から「生地のままでいい」と言われた。したがって、「有能感を味わえる」と思った。早く稼いで洋裁店「ボヌール」を梯二郎から買い取って独立したかった。── こういうことが背景にあっての行動だと思う。

(節子) 有能感を大事にする百子にとって失敗は大ダメージ。こういうリスクをものともせずに引き受けるなんて百子は自信家ね。だから、“女目当て”であることが明白な氷室が提起する好条件の取引に応じたのね。百子が所有している不動産を本来なら6~7掛けのところを9掛けの270万円で氷室が評価した例の取引のことよ。この自信の背景には、二つのことがあるんでしょうね。

自分を取り巻く環境の変化を敏感にキャッチしてチャンスを逸早くものにする自信がある。
これまで体当たりの行動をしてきて何度も窮地を脱した経験がある。

 「自信があればあのチャンスをものにできた」「自分に足りないものは自信だ」という人は実に多い。百子の自信の背景にあるものを一般化できないかしら?

(高哉) 人生は一度しかないので、やりたいことをやらなければ損である。挫折しても飛躍のチャンスは必ず訪れる。したがって、生存に必要なものを最低限残した上で、最大限の挑戦をするミニマックス戦略がお勧めだね。

(節子) その考えは面白いけど、ほとんどの日本人には無理じゃないかしら? その場しのぎの体質が染みこんでしまっているので、挑戦行動を採れないので、空念仏になってしまう可能性が高いもの。日本的集団主義にどっぷり浸かって生き続けていると理屈では分かっていても身体がついていかない、圧倒的大多数の日本人どうしてらいいのかしら? 「性格に合う道を選び、自分の行動力学に合った挑戦をしよう!」となるんでしょうね。

好きこそものの上手なれの世界に入ることが生み出す分かりすい例
(高哉) 性格に合う道を選び、自分の行動力学に合った挑戦。これだったら「理屈では分かっていても身体がついていかない」ということにはならない。分かりやすい例えを使わせてもらうよ。

 野球でサードのポジションを与えられたとしよう。そして、三遊間を猛烈なゴロが飛んできたとしよう。経験がなければ「捕りたい」と思っても身体がついていかない。ところが、ランダムに飛んでくる猛烈なゴロを捕るための特訓を長期間連日に亘って受けていれば、身体がさっと反応して三遊間に飛んできた猛烈なごろを鮮やかに捕球できる。この背景には、次の図式があるんだ。

 ランダムに飛んでくる猛烈なゴロを捕るための特訓を長期間連日に亘って受ける ⇒ 海馬が鍛えられるのでどんな猛ゴロにもびくつかなくなる。と同時に、脳の中にランダムな猛烈なゴロを捕るための脳の中のシソーラス機能ができあがる ⇒ カーンという音を耳にすると同時に脳の指令にしたがって手足が目的達成に向けて自然に素早く動く。

 性格に合った仕事であれば、この図式を実現できるというわけさ。性格は行動力学を、行動力学は特訓効果を生み出すからね。そして、挑戦的行動が重なれば重なるほど臨機応変力の強化が進み、閉塞状態、ひいてはうつ病やゆで蛙現象とは無縁の人生が可能になることを忘れてはならない。
渡辺高哉の“好きこそものの上手なれ”の世界 ⇒ 『難問を創造的に解決します

(節子) 私がさっき言った「性格に合う道を選び、自分の行動力学に合った挑戦をしよう!」が正解というわけね。これは独立力についても同じことが言えるのでしょうね。だとすると、百子は自分の住んでいるアパートで梯二郎と同衾した翌朝のできごとだけど、百子の言動は正しかったと言えるわね。

 梯二郎の「タバコを取ってきて欲しい」という要求を断っただけではなく、朝食も食べさせてあげなかったものね。逆の行動を採ったら百子は梯二郎占有の愛人に成り下がり、独立を勝ち取るための海馬の強化も脳の中のシソーラス機能の充実も実現に向かわないものね。

(高哉) その通りだよ。人生目標に相応しいリズムは大切に守らなくてはならないんだ。梯二郎の言いなりになったら百子に二つの致命的な打撃を与えることになる。百子の有能感が損なわれて挑戦に一番必要な自信が失われてしまう。これがひとつ。もうひとつは貴女が今言った独立を勝ち取るための海馬の強化も脳の中のシソーラス機能の充実も実現に向かわない。

 でも、人生目標に相応しいリズムを守り続けることは容易ではない。ここに、個性的才能を引き出す性格診断を前提とする未来進行形の自己物語創造の意義があるんだ。(詳しくは ⇒ 『ホームページ・ダイジェスト』)


←前ページへ 目次 →次ページへ




 悩み事相談skype電話ご訪問…のいずれでもOKです



▲トップ  → トップページ