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【世界の出来事から問題解決の方法を学ぶ】



→ユーロ誕生と企業経営

2. ユーロランド産業界の創造力と競争力が強化される

 ユーロ誕生によって、ユーロランドはボーダレスになっただけではない。ユーロランドの潜在成長力も大きく拡大する。ポルトガルなどの後進地域の金利水準が低下するので、その分、これらの国々の経済開発が進むからである。

 域内途上国の経済開発が進めば、域内先進国の産業構造は高度化が進み、アメリカに比べて5年は遅れている言われている、コンサルティングやコミュニケーションなどの情報産業が発展するであろう。この効果は大きい。情報産業は家庭内在庫やゴミの源とならないので、持続力ある開発が可能となるからである。

 域内のボーダレス化が進む上に、潜在成長力が拡大する。企業の活躍の舞台が大きく広がったわけである。このような場合でも、企業努力をしなくても、企業の存続が可能であれば、大きく広がりつつある舞台は活用されないかもしれない。しかしながら、このような心配は無用といえそうである。

 各国がとってきた産業保護政策は急速に撤廃されつつある上に、為替相場による価格競争力強化の道が封じられてしまったからである。チャンスが広がった上に、自助努力が必要になったとなれば、企業家精神は高揚さぜるを得ない。

 でも、せっかく企業家精神が高揚しても、ベンチャービジネスの資金調達が容易でなければ、空回りしかねないが、この面の心配も要らなさそうである。金融・資本市場の一本化と拡大が進むので、その分、ベンチャービジネスのための株式市場拡大が可能となる。そして、総体としての低金利がこの可能性を現実のものにしてくれるだろうからである。

 したがって、ユーロランド産業界の創造力は強化される。このように言っても、過言ではないであろう。でも、創造力が強化されただけでは、大きな経済成果をものにすることはできない。着想はよかったが、競争力強化を怠ったために、事業としては成功に至らなかった企業は掃いて捨てるほど多いからである。

 ユーロランドで生まれる新事業がどうしたら育たないかのフェイル・ストーリーを考えてみよう。

 事業を立ち上げるための資金調達がうまくいかない。事業の立ち上げに成功したが、十分な収益を上げることができなかったので、競争力強化のための投資を行うことができなかった。

 次に、上記したようなフェイル・ストーリーが起きる可能性が大きいか否かを考えてみよう。

 事業を立ち上げるための資金は事業の構想がよければ、先に述べたように、ベンチャービジネスのための株式市場が拡大するであろうので、心配無用と考えてもよいであろう。問題は、競争力強化のための投資を行うに必要な収益を上げられるかどうかである。

 ユーロ誕生以前の中小企業は、為替リスクの心配があるために、事業展開は狭い国内に限って行いがちであった。したがって、この壁を突き破れない企業は大きく育ちようがなく、したがって、十分な投資も行えなかった。しかし、ユーロ誕生により、この壁はなくなったと言える。

 但し、世界に雄飛する事業を展開することは大変なことである。それ相応の経営体制を整えなければならないからだ。この点を甘く見たために、頓挫してしまった中小企業は少なくないのだ。自ら、世界に雄飛するための体制を整備するか、それとも、ある程度育てた事業を多国籍企業などに売り渡すかの選択が必要になろう。

 この選択を誤りさえしなければ、新事業は競争力のための投資を行い、大きく育てることが可能となろう。そして、このようなことにとって有利な環境ができあがりつつある。中小企業が自主路線を歩み、大企業を目指すことを支援するコンサルタント会社が育っているし、また、多国籍企業は自らのイノベーション力不足を社外で生まれた新事業を買い取ることで補う。こういうことが習慣化しつつあるからだ。

 以上のべたことは個々の企業の創造力と競争力強化のため方策を考える際の貴重なヒントになるであろう。中庸の挑戦機会を与え続ける。そして、ノルマには厳しいが、行動の自由がある社風を創る。そして、ノルマ実現を支援する体制を整備する。このようなことを実現しさえすればよいのだ。

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