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【斬新な着眼】



(1) あのイラク再生は成功する(米国ブッシュ政権の新創業可能性分析編)

内外の世論を味方につける余地がブッシュ政権に残されている

 「イラクに大量破壊兵器の証拠が一切ない」ということで世論が固まったためか、米国民はイラク戦争を急速に否定的に捉えるようになり、ブッシュ大統領の支持率が50%に急落。就任後で最低になりました。しかしながら、イラク侵略戦争に踏み切ったことはブッシュ大統領再選の支障にはならないことでしょう。理由は二つに大別できます。

(理由1) イラク人並びに国際社会の双方にとって都合の良い、イラク再生を進めやすくなった

 トルコはヨーロッパ先進国の直接投資並びに交易対象が中国に向かってしまったために、経済がすっかり停滞してしまっています。これを見ているイスラム世界の人々の民主化・市場経済に対する懐疑の念が深まり、中東の改革派の人々の影響力を大きく殺いでいるようです。

 したがって、トルコがEU(欧州共同体)に参加できるどうかが中東のイスラム世界が民主化できるかどうかの鍵を握っていると言えなくもありません。なぜなら、

 トルコの民主化が進む ⇒ トルコのEUへの参加が約束される ⇒ ヨーロッパ並びに他地域からのトルコへの直接投資が拡大する ⇒ トルコ経済が活性化する ⇒ トルコの民主化が報われる──、という図式が可能になるからです。

 そして、トルコのEU (欧州共同体) 参加の道が開かれようとしています。なぜなら、キプロス島はトルコ系とギリシャ系が長年に亘って反目してきました。ところが、民主化に真剣に取り組んでいるトルコ本土の意向を受けてトルコ系が分裂しているキプロス島の統合に協力的になっており、下記の図式が陽の目を見るのが時間の問題になりつつあるからです。

 キプロス島がEUに参加する ⇒ ヨーロッパ先進国の対キプロス島直接投資並びに交易が拡大する ⇒ キプロス島の経済が活性化する + EUが長らく分裂していたキプロス島の求心力役を果たす ⇒ キプロス島が安定化に向かい、真の統合が進む ⇒ 良い影響を受けたトルコのEU参加が確実になる。

 (イラクが内戦状態になることはEUにとっても大きなマイナスです。したがって、EUは自らの利益のためにも上記「図式」を実現させなければならないと言いえるのではないでしょうか)

 上記「図式」は“分裂国家・イラク”にとって福音となることでしょう。なぜなら、多くのイラク人が「民主化、市場経済路線は良いものだ」「だったらみんなで協力しよう」と思い込むようになることが期待できるからです。

 そういう意味で、イラク統合のための施策の明確化が大幅に遅れていることはイラク再生にとって好材料となることでしょう。なぜなら、直接選挙を行う前に、上記の図式を使ったイラク人の啓蒙を行うことが可能になったからです。

2004.3.8に合意に達したイラク憲法はラフな仮取り決めにしかすぎない
           2004.3.13付けの『The Economist』の44頁から転載

(理由2) 米国以外の国にとってもテロ対策は他人事ではなくなった

核拡散の防止は困難になってしまっている
2004.2.28付け『The Economist』の30頁から転載 2004.2.28付け『The Economist』の28頁から転載

 パキスタンのカーン博士による“核技術密売の告白・証言”は全世界に衝撃を与えました。なぜなら、この事件は、核兵器生産に容易に結びつく原子力発電所が石油危機以来多くの国に普及していることにグローバリゼーションの進展が加わったことが下記の図式に結びついていることを明確に示すものだからです。

 国家権力の衰退を招くのと引き換えに個人がパワーを持つようになった ⇒ お金を出せば誰でも核兵器を入手できる + テロリストのネットワークが生まれやすくなった ⇒ 核兵器がテロリストの手に入りやすくなった。

 核疑惑を懸命になって打ち消しているイランは稼動させて久しい原子力発電所の技術をベースに核兵器開発の努力をしてきたために、start-up-fuelを持ち込みさえすれば、いつでも核兵器を生産できる状態にあるようです。そして、このstart-up-fuelの供給者はロシアを始めとしていくらでもいるのです。

 カナダの原子力発電所のインドへの輸出がインドの核兵器の開発・実験の成功に結びついた。アルカイダのネットワークが全世界に広がっている。 ── この二つの事実を考えると、背筋が寒くなります。

 上記したことは力ずくの対策を講じることは“モグラ叩き”のような状態になりかねないことを意味しています。どうしたらよいのでしょうか? 北朝鮮の最近の情勢を参考にすべきでしょう。2004年3月1日付けの『Business Week』によると、

 北朝鮮は二つの実験に成功して「大量の外資を導入できれば経済危機を乗り切ることができる」という強い自信を持ち始めているのです。

(成功した実験1) 民営農業部分の拡大が好天候効果とあいまって2001年以来穀物生産量が7.6%上昇した。

(成功した実験2) 民間経済部門における生産性向上を実現させることを考えて、2001年7月以来食料品・生活必需品の公定価格を55倍、賃金を18倍に引き上げた。その結果、価格が3倍になったものの商品供給が増加した。

 それでは北朝鮮は自力で経済危機を克服できるのでしょうか? 「否」です。「核を廃絶すると共に民主化を進める ⇒ 外国人は北朝鮮で安心して仕事できる…と思うようになる ⇒ 外国からの本格的な直接投資が進む ⇒ 北朝鮮経済が成長路線に乗る」という図式の実現が必要不可欠なのです。そして、北朝鮮当局もこのことを十分に認識しているようです。

 北朝鮮の経験を応用して言うと、テロの温床になりかねない開発途上国には下記の図式を実現させることが望まれているのではないでしょうか。

 市場経済原理を実験的に導入する ⇒ 市場経済が生活水準の引き上げに結びつくことを実体験させる ⇒ 実験成果を拡大するためには外資の導入が、そのためには改革が必要であることを痛感させる ⇒ 大量の外資導入に結びつくよう改革を自助努力で行わせる ⇒ 経済が急成長すると共に中産階級が国民の大部分を占めるようになる ⇒ 民主化が急速に進む。

 以上述べてきたことから明らかなように、米国以外の国にとってもテロ対策は他人事ではなくなるのです。なぜなら、

 世界各国の相互依存が拡充したために、国際協調なくして世界各国は存続できない。したがって、「テロリストの攻撃対象とする国は拡散する ⇒ 核攻撃の危険性があるのは米国に限らなくなる」という図式を覚悟しなければならない。そして、そうならないようにすることは世界各国垂涎の的である経済の新成長機会に結びつくからです。

(理由3) ブッシュ政権は“新しいカード”を切る余地がある

論拠1 ── 米国の世論は定まってない

 ブッシュ政権が支持基盤である大企業の経営者層やキリスト教右派の利益や主張に沿った政策をとってきたことで、社会の土台に亀裂が入ってしまった…という見方があります。だからか、民主党の大統領候補指名争いで「二つになってしまった米国」をどうするかが論議の中心のひとつになりました。

 そして、この民主党の大統領候補指名争いで、ディーン氏が「イラク戦争反対」を掲げて人気が急上昇。ところが、この人気も尻つぼみとなり、「ブッシュ大統領に勝てそう」ということでクラーク上院議員が民主党の大統領候補になりました。

 以上のことは何を意味するのでしょうか? “分断されたアメリカ”を再統合しなければならない。しかしながら、妙案が今のところ見当たらない──、と言えるのではないでしょうか。

論拠2 ── ブッシュ大統領は2期目に向けた政策を明示してない

 11月の大統領選を控えた現職大統領は念頭の一般教書で2期目に向けたビジョンを掲げるのがこれまでの慣例でした。ところが、ブッシュ大統領はそういうことはせずに、過去の実績を自画自賛する等…細かいことを取り上げるに留まりました。

 大方の落胆を招いたブッシュ大統領のこの姿勢は極めて賢明であったと言うべきでしょう。なぜなら、イラク問題も含めた、“分断されたアメリカ”の再統合のためのビジョンを練り上げる時間稼ぎができたからです。

2004.1.24付け『The Economist』の31頁から転載 2004.1.24付け『The Economist』の34頁から転載

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